ツムラの「漢方の大嘘」の記事を詳しく説明!その2
この記事に書かれているように、ツムラさんがお医者さんに漢方の勉強会に参加してもらい、医者の間に漢方薬を大きく広めました。
ですが、実際には、ツムラの勉強会に参加するだけで、漢方薬を処方できるようになるほど、漢方の世界は甘くはないのです…
こういったお手軽な勉強会に参加し、ツムラの認定漢方医の資格取得して、ツムラのマニュアルを手にした医者が、今、現在も日々、漢方のことを実はよく知らないけれど患者さんに漢方薬を処方しています。
ツムラさんの勉強会はどんな勉強会か?
実は、私も参加したことがあります。
綺麗なホテルで行われていました。
その時、すでにツムラのマニュアル漢方の存在を知っていたので、本格的な漢方の勉強会である訳はないと覚悟はしていましたが、それ以上にびっくりするような勉強会でした。
もちろん、参加されている方は、医者や、薬剤師の方がほとんどです。
有名な病院の先生が講師としてお話されていました。
司会をされている方も、実際ご自分の医院で漢方を処方されているという医者でした。
その日の漢方のテーマは、いくつか漢方処方が事前にピックアップされており、『この漢方薬=こんな人』で処方しましょう。みたいな説明でした。
最も驚いたのは、「大柴胡湯(だいさいことう)はアンパンマンみたいな中年男性に処方します。」という説明。
本当に、資料にはアンパンマンのような顔をした人の絵が書かれていました。
いくら、イメージでわかりやすくと言っても限度を超えているではないかと思ったのを覚えています。
幼稚園の子に教えるんじゃないんだから。
しかも、大柴胡湯は体が太っているのであって、顔が太っているわけじゃないので、教え方も間違えています。
アンパンマンはスリムですから。
お医者さんは思い込みで漢方薬を処方してる?
もう一つ、勉強会の最後に用意されている質問の時間に、一人の医者が「年配の女性で、夜眠れないというのですが、よくしゃべって、せっかちな方には、どのような漢方薬を出せばいいですか?」
その方の質問に対して、講師の医者と司会者の医者は患者さんの年齢を確認しただけで、揃って同じ漢方薬名を口にされました。
完全なマニュアルですよね。
そして、その質問をした医者は、その漢方薬名だけをもう一度確認して、席に座りました。
きっと、知っていた漢方薬名ではなかったから、聞き取れなかったのでしょう。
「年配の女性、眠れない、せっかち」という、たった3つの要素だけで漢方薬を選ぶとは、さすがマニュアル漢方!!
清々しいほど『体質を無視しているテキトー感』がすごいですね。
単純マニュアル感覚から抜け出せないお医者さん
性格も体質を知る上で必要な情報の一つではあるけれど、それだけで、漢方薬を選ぶなんて本来はできません。
その患者さんを直接目の前で見て判断することもしていないわけですから、体格だって、確認できていないわけです。
せめて、『便の状態』や、『食欲や胃腸の調子』、『体格』、『現在、過去の病歴』くらいは聞いて、漢方薬を処方しないと、副作用(*漢方薬が体質に合っていない場合に起きる)を事前に防ぐことはできません。
どうやっても、医者は『〇〇病→〇〇漢方薬』という単純マニュアル感覚から抜け出せないように感じました。
漢方薬って、とても不思議だと感じる理由は、医学理論と実践をセットにして治療するからだと思うのです。
漢方の治療の腕は才能と実践練習でしか上がらない
例えば、ピアノで感動させる演奏をしようと思ったら、鍵盤の音を教科書で覚えて、楽譜を覚えて、一度もピアノを実際に触らずにいきなり綺麗な演奏は絶対にできないですよね。
どれくらいの大きさの音や高さの音が出るかは、触って弾いて初めてわかるものです。
しかも、本で覚えたものがテストして全部、暗記できていたとしても、全然、思っている速度で弾けなかったり、ミスタッチばかりしたり、本とは全然違う困った状況に最初は誰でも陥ります。
でも、その上で何度も練習して自分自身の弾き方を体得する必要があります。
漢方理論に従い、塾考の末に選んだ漢方薬を一度、飲んでみて体がどのように感じて、どのような変化が起こったかで、初めて漢方薬の処方の良し悪しがわかるものです。
この患者さんの体質なら、どんな反応(ピアノに置き換えると、どんな音)になるだろうか、と過去の経験と知識から導き出し、知恵を絞って考えていくわけです。
病名漢方や、イメージやタイプ別を丸暗記して漢方薬を処方したって、なんとかなるような医学ではないのが、漢方医学なのです。
漢方に関しては『お医者さんお得意の机上論』を通すのは難しいのではないでしょうか。
実際、ほとんどの患者さんが治ってませんし。
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