漢方専門まごころ漢方薬店

薬膳は実は漢方薬より難しい!

「薬膳のスペシャリストや薬膳アドバイザーになれたらいいなぁ〜」なんて、考えたことがありますか?

実は私も、漢方薬の勉強より毎日の料理に活かせるよう、薬膳の勉強をしようかな?なんて思ったことがあります。

中医の薬膳の本を開きますと、一番初めのページに、

『薬膳学とは、食材や中薬がもっている四気五味、加工による帰経・効能・応用法などを研究し、個人の年齢・性別・体質・体調・生活環境などに合わせた食生活を提案する。』と書かれています。

ということは…

❶ 食材や中薬が持つ特徴を全て知っておかなければならない。

❷ 個人それぞれの体質やその時の体調を見極めなければならない。

この2つのポイントは、言葉で表せばとても短いかも知れませんが、内容は膨大です。

誰でも簡単に習得できるものではありません。

食材の持つ特徴だけでも大変な数です。

それをどの食材とを組み合わせるかで、効能が変わってくるのです。

特に私が『薬膳は無理だ!』と感じたことは、個人に合わせるという部分です。

普段は家族みんな同じメニューを食べています。

それを一人一人、別々な食事を作るなんてそんな時間も手間もかけてられません。

また、生薬を使えば、いくら工夫してもいつもより違和感を感じる味になることも避けられません。

食材も中には、今までに買ったことがないようなものがありますので、レシピ通りにすべての食材を手に入れる段階で、くじけてしまいました。

なんともハードルの高い料理です。

私の結論から言いますと、食事は、近くのスーパーやお店で手に入れやすい一般的な食材で今まで通りの食べ慣れたものを家族みんなで食べて、病気の時や不調の時だけ我慢して、苦い味の漢方薬を別で服用する方法の方が、都合がいいことに気がつきました。

漢方薬は飲んだらすぐに効果が実感できます。

そもそも、個人に合わせた薬膳が作れると言うなら、『その方の体質がみることができる』という大前提が必要です。

もし、それができるのであれば、漢方薬も選べるはずです。

体質が分析、判断できるのであれば、自分に最適な漢方薬を選ぶのに苦労しないはずです。

漢方薬を選ぶ際に必要な要素である証(しょう)は、体質のことですから。

中国のその昔、皇帝に仕える薬膳師は漢方薬師より身分が上だったのです。

なぜなら、それだけ難しい職業であり、食事は毎日必要なこと。

それで健康の維持を目的としていたのですから、とても重要です。

薬膳はその名の通り、薬も使いますので、体質に合っていないものを食べると病状が悪くなることもあります。

これは、漢方薬治療でいうところの誤治(ごち)や壊病(えびょう)と言って、良くなるどころか、新たな病になることもあります。

体質を見誤ると何のための薬膳だかわからなくなってしまいます。

漢方薬でも、長年良くなると信じて飲んできたのに、間違った漢方薬をずっと続けていたことが原因で、病状が複雑に悪化してしまったという方もたくさんいらっしゃいます。

薬膳のセミナーや料理教室に通ったからと言って、健康につながるとは決して思わないでくださいね。

その時の2、3のレシピを覚えたところで、作る以前に、まず自分の体質を見れないことには、薬膳の意味がありませんから。

薬膳料理もパンや、お菓子作りの教室、本格イタリアンの料理教室に通うのと同じような感じゃないでしょうか。

得意料理のメニューの幅が広がるかも知れませんが、残念ながら、今あるような薬膳教室で病気までは治せません。

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ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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