ピルで生理痛を止めて本当に問題ないのでしょうか?
先日、患者さんがNHKの番組で見た内容にビックリされたというお話です。
テーマは『ピルを独身女性が月経コントロールに使うことに偏見をなくそう!』というところまではいいとして、何にビックリされたかというと、その番組の中で、産婦人科の女医が「小学3年生でも、生理が2・3回きていたらピルを使って大丈夫です。」と言い切っていたことだそうです。
その上、『定期的に出血があることに医学的な必要性はありません』と、なんと生理という現象に意味がないとまで発言していたとのこと。
本当に小学生がピルを飲んで大丈夫なの?
ピルは、人工的なホルモン剤で強制的に生理を変えてしまいます。
ですので、生理痛のために服用するなんて発想が、そもそもありません。
私は個人的にこの女医の発言に、ものすごく怖さを感じます。
大人になれば、自己責任でピルを飲むかどうかの判断がつきますが、小学生は、その良し悪しも判断つかない年齢です。
それを、産婦人科医が問題ないと言い切るところに問題があると思います。
小学生の女の子には、女性としての未来があります。
そして人間はロボットではありません。
人として機能する力を持っています。
その機能の一つとして女性には月経というものがあり、その月経リズムを体の成長と共に築き上げていくわけです。
なのに、それを強制的に目の前の痛みを止めるために、ピルを使ったらいいじゃない!という近視的発想がとても短絡的過ぎると同時に無責任さを感じます。
なぜ無責任なのか
今、小学生の女の子も将来は、妊娠・出産をするかもしれないわけです。
そんな子供に今からピルを飲ますことについての危険性を何も考えていないからなのか、『ピルを飲んでも大丈夫!』なんて発言が平気でできるのでしょう。
女性の体は、排卵をした後、子宮内膜が卵を育てるためにどんどんと厚くなっていきますが、ピルを飲むことで、排卵が止まり、子宮内膜を厚くする必要がなくなります。
通常なら、内膜が厚くなって、その後妊娠の機会がなければ、内膜が剥がれ落ちて出血となり、いわゆる生理が起きます。
この内膜が剥がれ落ちる際に痛みがひどくなるのが、生理痛です。
ピルを飲めば生理痛が止まるのは、本来なら、一連の月経周期の中で内膜を厚くすることを途中でやめるので、剥がれ落ちる内膜の中の痛みに関する成分なども減ることで、痛みも軽減されるとされています。
(なぜ、ピルで月経痛がなくなるのか理論的な予想のメカニズムしか分かってない)
つまり、ピルを飲んでいる間は、本来の月経の周期の機能を止めていることになるので、体の中は月経のリズムをちゃんと刻むことなく、時が過ぎてしまっているのです。
ですので、ピルを飲んだ際の副作用として、月経のリズムが狂ってしまい、月経不順になったり、月経が自然で来なくなることもあります。
それで、将来妊娠が難しくなったら、どうするのか。
果たして責任はとってくれるのでしょうか
体のバランスを整えれば生理痛は自然に治る
定期的に出血のある生理というものは、将来子供を授かる上で、医学的にも大変意味のあることです。
いざ、そうなった時に月経リズムが整っていなければ、なかなか妊娠・出産が難しくなるのも明確です。
本来、生理は女性の自然な体の機能ですので、気や血・水の流れが十分で、ちゃんと体の中をめぐっていれば、生理痛は起こりません。
漢方薬での治療は、気や血・水のバランスの崩れている部分を補うことで、生理痛はなくなり、月経リズムにより整います。
たとえば、血が不足気味であれば、十分な血を子宮に集められことができれば、生理痛はなくなります。
体の中で気や血や水がめぐっていないければ、ちゃんとめぐるようにすることで改善されます。
漢方薬は、ピルのように無理やりあるべき機能を止めるのではなく、あるべき機能を問題なく働くように助けてくれるのです。
もちろん、生活の中で、食事や睡眠、ストレスの軽減などの工夫で生理痛は改善されることもありますので、第一手段として、目の前の痛みをなんとかするために、いきなりピルという選択をする前に将来へのリスクを考えてほしいと思います。
●生理痛、PMSなどでお悩みの方は、こちらの 「漢方無料相談する」 から送信してください。
●お問い合わせは、こちら から送信してください。