がんの大きさでがんのステージが決まるわけではありません
癌(がん)の病状を表す場合に、ステージ「数字」と段階に分けられます。
がんのステージは0から4に分類されます。(通常、数字はローマ数字で表記されます。)
ステージの数字が大きいほど、がんの病状は重たくなります。
そこまでは、なんとなくイメージがつく方もいらっしゃるとは思います。
先日、患者さんとのお話の中で、ステージの数字が大きくなるのは、がん細胞が大きかったり、がん細胞の数がたくさんあるからだと思ってらしたことがわかりました。
また、イボみたいなものができて、それを手術で取ればいいと考えてもいたようですが、癌(がん)はそんな単純なものでではありません。
実は、癌(がん)のステージの段階は、大きさや数ではなく、癌がどんなふうな状態なのか?で変わっていきます。
『ステージ0』
普段、筋トレをして、筋肉をつけたりしますよね。
その筋肉がある部分の手前の細胞層にがんができたのが、ステージ0です。
体の浅い部分にできた癌ともいえますね。
ですので、表面にあるがん細胞をだけを取り除くことで、体から、がんはなくなります。
『ステージⅠ』
筋肉のある層にがんがとどまっている状態です。
この時点なら、できた場所にもよりますが、まだ『がん細胞』だけを取り除くことができる可能性があります。
『ステージⅡ』
がん細胞が筋肉の層を突き破って、正常な細胞の間に混ざっている状態です。
牛肉で例えたら、霜降り肉のように脂肪が全体に混ざっている状態をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
脂肪部分が癌みたいな感じで。
こうなると、がん細胞だけを取り除くのは難しくなります。
正常な細胞も一緒に取り除かないといけなくなるので、場所や広がっている範囲によって、治療が難しくなってきます。
『ステージⅢ』
ステージⅡの状態の上に、さらにリンパ節にもがんが転移している状態。
リンパ節は身体中を巡っていますので、リンパ節にがん細胞が転移しているということは、身体中へがん細胞が移動可能ということになります。
体中のあちこちにがん細胞が行き来できるようになっている状態です。
『ステージⅣ』
元のがん細胞が大きくなって、近くの臓器や組織へ広がったり、リンパ節や血液から、他の臓器へ転移して2つ目、3つ目のがん細胞を作り出している状態。
がん細胞が大きくなっているだけでなく、周辺の正常細胞と混ざり合い、染み渡るように広がっています。
手術もできるかどうかはわかりません。
『取れそうなところは取る』という感じになってきます。
がん細胞の増殖スピードと正常細胞が生き残れるかの戦いが始まります。
大きくなくても、できた場所によっても「ステージⅢ」に
できたがんが小さいものであっても、すでにリンパ節に近いところであったら、がんだとわかった時には、すでに『ステージⅢ』ということもあります。
いきなり『ステージⅢ』から始まるわけです。
乳がんが怖いのは、脇のリンパ節が胸にとても近いため、リンパ節への転移がしやすいからです。
また、肺や肝臓などは常に血液を体中へと巡らせていますので、肺がん、肝臓がん、膵臓がんなどの場合は転移の可能性が高くなります。
もし逆に、がん細胞の数がたくさんあったとしても、すべて『ステージⅠ』の状態であれば、手術で取り除くことができます。
がんとわかってすぐであっても、『ステージⅠ』から始まるわけではないのが、がんなのです。
がんは、早期発見なら助かる可能性が高いと言われます。
なぜそれが大切なのかの理由は、転移する前にがんを見つけることができるかどうかというところにあるのです。
がんをご経験された方の手記などを読みますと、初めに何かしら、今までにない異変というものに気づかれています。
ただ、その異変が何かわからなかったり、病院に行っても、特にがんではないという診断をされて、なかなか早期発見につながらず、がんだとわかった時点ですでに『ステージⅣ』であったということはめずらしくないようです。
つまり、例え、病院に通っていても、早期発見も現実はしようがなかったりします。
原因が何かわからない症状が続く場合は、自分自身で、がんかもしれないと疑ってかかることもある意味、必要なことかもしれません。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ がんの病期のことを知る:国立がん研究センター
◯ (がんの発生と進行のしくみを知る|https://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-01.html}
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