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お薬手帳って意味ありますか?

先月読んだ、東洋経済の特集記事の中に気になる内容がありました。

「領収証から見抜く薬局のカラクリ」参照

2016年4月に調剤の保険点数が改定されて『お薬手帳』を忘れると点数が加算になり、患者さんの負担増になるのです。

それまでは、お薬手帳に直接記入しない薬局の報酬は減る仕組みだったのです。

その場合は、薬局側は仕事をしていないのですから、それは問題ないと思うのですが…

元々、お薬手帳を持つか、持たないかは患者の任意で始まったのに、今になって、お薬手帳を持っていくのを忘れたからと言って、保険点数を高くする(患者さんの負担が増える)のはいかがなものかと思います。

具体的な数字で言いますと、薬局でお薬手帳を持参した場合の料金は380円(保険点数38点)で、持参しなかった場合は500円(保険点数50点)の料金を患者が負担することになります。

3割負担であれば、お薬手帳を持っていかなかった場合は、持っていかないというだけで40円を多く支払わなければなりません。

たかが40円の負担ですが、普通は、その料金負担増になる説明を事前に必ず患者さんにしないといけないですよね。

ですが、実際には処方箋窓口でお薬手帳の確認をされていない薬局もあります。

下手に説明してお薬手帳を持って来られるより、黙っていたら50点の保険点数で、処方できて500円が儲かるのですから、ちゃんと説明しない薬局があっても不思議ではないですよね。

一体どれくらいの患者さんが、お薬手帳を持っていかないと40円高くなることを知っているのでしょうか?

2016年4月以前までは、逆にお薬手帳を持っていかなかった方が安かったのですから、それをそのまま信じて持っていかない人も大勢いらっしゃるのではないかと思います。

それと同時にお薬手帳は、慢性病の方には便利なことが多いかもしれませんが、急性の病気の場合は、次に同じお薬がいる場合はほとんどないですから、あまり必要性がないと思います。

必要性のないものに保険点数を加算することが、果たして本当に良いことなのかどうかを、厚生省でしっかり見直していただきたいものです。

なんだか既得権益の臭いがプンプンします。

(お薬手帳のメリット)
☆ 薬の重複やよくない飲み合わせを未然に防止できます。

☆ 同じ薬による副作用の再発を防止できます。

☆ 薬の使用の記録があることで、より安全に薬を使用することができます。

と一般的には言われていますが、実際のところ、薬剤師がお薬手帳で薬の重複に疑問を感じたとしても、処方しているのはあくまでも医師であり、その薬をやめるかどうかを判断できるのも医師なのです。

薬局は現実は医師の下請けさんみたないものです。

また、お薬手帳に書かれているお薬は、複数の病院、又は、複数の科で処方されているものだとしたら、その時、受付した担当薬剤師がすべての薬を把握できているのでしょうか?

同じような作用のお薬が複数出ていたとしても、自分の薬局が取り扱っていない製薬会社の薬だと気づかない可能性もあります。

その上、同じ製薬会社の薬でないと複数他社の製薬会社の飲み合わせによって起きる副作用のエビデンスなんてありませんので、すべての製薬会社のお薬の飲み合わせの危険性をお薬手帳の存在があったとしても気づくことは難しいでしょう。

それにお薬手帳は病院や薬局、各々で発行していますし、スマホアプリもありますが、個人的に患者さんが管理しているだけで、実際に患者さんが全てのお薬情報を一つの手帳に集約しているかどうかも不確かですし、それを薬局側が確認する術もありません

それに患者さんそれぞれのお薬手帳をじっくり確認してくれるような時間が果たして、今の薬局調剤の仕事の忙しさの中からどうやって作り出すのかと思います。

500円(保険点数50点)の料金を取るなら、それ相応のサービスを提供してもらいたいものです。

要するに穴だらけなのに薬局はお金が入ってくるみたいなものですね。

はっきり言って、あまり役に立たないお薬手帳を患者さんが持って来ないからと言って点数加算をするのはおかしいのではないでしょうか?

逆にそこまでお薬手帳が重要なら、薬の管理不足のペナルティーを医師や薬局に課すべきです。

病院も薬局もこういった医療的な建前で搾取しているお金が多いように思います。

過去にうちのお店に、慢性病でたくさんのお薬を複数の病院で処方されていた患者さんが、「あまりにも薬が多いので、なんとかしたい。」ということでお薬手帳を手に相談に来られました。

そのお薬を一つ一つ調べて、作用のかぶっているお薬を減らしてもらうように、病院に相談されるよう、アドバイスさせていただきました。

もちろん、うちは保険適用ではありませんので、無料で相談させていただきました。

その後、漢方薬を続けていただいて、検査数値も安定し病院のお薬も減らせるようになりましたよ。

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ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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