男女の産み分けの問題と不妊症
子育てをしていると、「本当に少子化だなぁ〜」と感じることがしばしばあります。
わたし自身、団塊ジュニア世代でとにかく同世代が多い中で育ってきたから余計にそう感じるのかも知れませんが。
そういった少子化が背景にある中で、我が家もそうですが、子供が1人だけというご家庭も多くなってきているように思います。
私事になりますが、うちの子は男の子で、母親である私は、将来のことを考えると娘が欲しかったなぁ。という思いもあります。
娘と一緒に買い物に行ったり、おしゃべりしたりできたらと思うのです。
今となっては、その夢は叶うことがないと諦めていますが。
子供が一人だけになると「男か女かのどっちがほしいか?」と優先順位を決めてしまいたくなるものですよね。
そういったニーズからか最近は、男女産み分け法で産み分けを実施されている病院もあるようです。
男女の産み分けができるなんて、とても魅力的に感じますが、本当にそうなのでしょうか。少し、疑問に思うところがあるのです。
病院などでの産み分け法の説明では、女の子を希望する場合は、排卵日をしっかり予測し、ピンクゼリー等を使って膣や子宮頸管がX精子(女の子になる精子)が有利になる酸性の状態にし、推定排卵日2日前に性交するというものです。
ただし、デメリットは排卵2日前の性交なので妊娠率は低くなる可能性があります。
それは、精子が古くなってしまって、出会いのタイミングが合わないことも関係しています。だって卵子の寿命は約6〜8時間ととても短いんです。
反対に男の子を希望する場合は、最低2ヶ月の間、毎日リン酸カルシウムを飲んで、排卵日を予測し、グリーンゼリー等を使って逆に膣内をY精子(男の子になる精子)に有利なアルカリ性の状態にし、排卵日当日に性交をするとのこと。
こちらのデメリットは、「リン酸カルシウム」最低2ヶ月間妊娠が確認できるまで飲まないといけないということです。
飲み忘れたら意味をなさないそうです。でも、残念ながら、「リン酸カルシウム」を飲むと男の子ができるということは医学的には、未だ何も証明されていません。
そんな弱い根拠で、毎日欠かさず飲み、産み分けを実行するというのは結構大変なことですよね。
それと、無理やり膣内をアルカリ性の状態にするというのは、妊娠のメカニズムからすると、とても危険なことです。
なぜなら、そもそも女性の膣内は酸性状態なのかというと菌などの外部のものの侵入を防ぐためと、酸性の中でも負けない元気な精子を選ぶことが必要だからです。
人間の体は本当によくできているなぁ。と思います。
女の子の精子であっても男の子の精子であっても、女性の体が男性の精子を「健康で強い」と認めてくれない限り、妊娠にはつながらないという自然のメカニズムがあるのです。
それを知って、女性としては少し優位に立った気分です。
これが、本来の自然な姿なのです。
それを人工的に操作してしまうと間違ったこと(元気でない精子と卵子が受精してしまうこと)が起こってもおかしくはないですよね。一番多い間違いというのは、受胎はしたけれども、その後うまく成長できなくて流産という結果になってしまうことに。
これは、出会った精子が弱かったり、卵子が古過ぎたりということによって起こるのです。
本来出会ってはいけない精子と卵子は自然の中では、淘汰されるようになっているのです。
この間違いを意図的に起こすような産み分け法を選択するのか、それとも性別を気にせずに全力で健康な赤ちゃんを産むことをめざすのか、と2つを天秤にかけてみると、男女の産み分けを希望することが果たして意味があるのかどうか。と思ってしまいませんか?
私は、「男女の産み分けは意味がない」という結論に達しました。
不妊のご相談をしていると、元気な赤ちゃんを早く授かれることを目標としています。そうすると、妊娠のメカニズムから言って、卵子も精子もどちらもが新しく一番万全な状態で出会ってこそ、妊娠〜出産というゴールに到達するのです。
やっぱり、赤ちゃんを授かることってそんなに簡単なことじゃないんですね。
ましてや、妊娠年齢が高くなりつつある現代では、妊娠確率が悪くなるような産み分け法をしている余地はどこにもないと思います。
単純に産み分けが確立している事なら、西洋医学の不妊治療自体が30%の成功率しかないというのもヘンですよね。先に「性別関係なく単純に授かる」という治療の成功率をせめて50%以上にしてもらいたいところです。
子供が1人だからとか、また上の2人が女の子だから3人目は絶対男の子が欲しいなどと男女どちらかに選択したいと考えられるご家庭がこれから増えるかもしれませんが、産み分け法にはそういった落とし穴があることも知識としてお持ちいただけたらと思います。
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