母としての強い思いが病気の原因に
自分の娘や息子の幸せを願えば願うほど、心配する気持ちの行き場がなく、体の調子まで悪くなってしまう場合があります。
頭では分かっているつもりなのに、そればかり気になって気になって、どうしょうもない状態に陥ります。
そうすると、気がつけば体に不調が起きます。
そんなに子供の事を心配して、思い悩んでも仕方のないこともちゃんと分かっているのですが、気にしないでいるというのは母親には難しいことです。
うちにも、子供さんのことが気になって気になって、何もできないことは分かっているのにどうすることもできないことに悩み、自分を苦しめる結果になってしまい、体の不調をなんとかできないかとご相談に来られることがあります。
どこも体は悪くないはずなのに、実際には痛みが生じるとのこと。
それをご主人にお話しても、「気のせいじゃないか」と言われてしまい、それに対して何も言い返すことさえできないとのこと。
でも、体は痛くて辛いのです。
こういった場合は、病院の検査でどこかが悪いというような数値は出にくいものです。
体のどこかではなく、気持ちの部分がかなり大きいからです。
不調の原因は思い悩んでいることだからです。
漢方では、健康というのは陰陽、気血、臓腑、経路などのバランスがうまくとれた状態で、そしてその均衡が破れ、ある一線を越えて自然にもとの健康状態に復元できない状態にまで陥ることを病気と考えます。
そんな状態になってしまう原因として3つの原因があると考えられています。それを「外因」「内因」「不内外因」とし、これらを三因と言います。
「外因」は体の外の環境で暑さ、寒さ、乾燥、湿気などが原因ということです。
「内因」は、主に七情(いきすぎる喜び、怒り、憂鬱、思い、悲しみ、恐怖、驚き)が原因という意味です。
これは、通常は発病するまでに至る事はあまりないのですが、突然激しい精神的な痛手を受けたり、長期にわたって続いたりすると、自分でコントロールできる範囲を越えてしまい、体内の陰陽、気血、臓腑などの機能失調が引き起こされて病気となるのです。
子供の事を思い悩むことによって、心が沈み、何も楽しめなくなくなり、気が滞ってしまいます。
そうすると、気が正常に体の中を回らなくなってしまい、肺に影響を及ぼします。肺は傷つけられ、ひいては、脾(胃や腸など消化器官をさす)をも傷つける事になります。脾(ひ)がさらに悪くなると、次は他の臓腑へも影響してくると漢方では考えます。
少し考え方を変えて、自分が大切な子供の事で思い悩むことで体の調子を悪くしてしまっては、逆に子供に心配をかけてしまうことになりかねません。
ご自分の体を守るためにも、思い悩み過ぎないという選択が必要なこともあるのではないかと思います。
ご自分の気持ちが過度にならないようにコントロールするというのも、健康になるための重要なことですね。
気持ちからの病は漢方薬だけでは治癒は難しいですが、漢方薬を飲むことで少しずつ感情のコントロールがし易くなることはあります。
そして、考え方や思いが偏りがちにならないようにすることで病は改善していくのではないでしょうか。
これも本来持っている自分の自然治癒力を引き出すことと同じですね。
気持ちからくる病は、女性だけではないですよね。
もちろん男性だって、気持ちが落ち込みすぎて病気に発展することもあります。
働き盛りの年齢では、仕事が忙し過ぎて疲労も重なってということが多いのではないかと思います。
先ほどの三因から言えば、『疲労』は外因でも内因でもない、不内外因ですね。
それに感情である内因も合わさることによって、病気になってしまうケースというのは、現代社会においてだんだんと増えていっているような気がします。
ですので、体力的なケア、精神的なケアの両方を意識してオフの日を過ごされることをおすすめします。
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