漢方薬はなぜ何百種類もあるの?
漢方薬は500種類以上
漢方薬は、何百種類も存在します。
なぜ、そんなにあるのでしょう。
漢方薬は、直接的な効果や作用を期待して処方するものではありません。
例えば、「頭痛の痛みを止める」とか、「眠らせるようにする」など。
漢方薬は、そんな1つ、2つの症状を直接、抑えるものではなく、病名や症状を総合的に考えて、体質を判断しそれにあわせて選んでいきます。
体質は、あなたの顔と一緒のようにひとりひとり違うのです。
ひとりひとり違う体質にあわせていこうと思ったら、たくさんの数が必要です。
そういったわけで漢方薬はたくさんの種類があるのです。
漢方薬も始めは少しの種類しかなかった
漢方薬は、はじめからたくさんの種類があったわけではありません。
元処方といって、はじめは、数種類の漢方薬が作られました。
最初は、感染症を治すために考えられたので、それほど、たくさんの種類はありませんでした。
そのうち、感染症だけでなく、いろいろな慢性病にも使われるようになり、漢方薬の種類は、どんどん種類が多くなっていきました。
本当によい漢方薬だけが残れる厳しい世界
漢方薬の歴史が長いから、たくさんの種類があるわけではありません。
昔に存在していたけど、今はない漢方薬もあります。
2000年の長い治療の歴史の中で、効かないものは、なくなっていったのです。
「あなたは治さないからクビ!」
漢方薬達にとっては生き残りをかけた過酷な環境です。
いろいろな病気や体質の人にあわせて、新しい漢方処方が増えたり、減ったりして、現在、使われている漢方薬があります。
今、残っている漢方薬は、様々な試練を経て残っているいわばエリートなのです。
それだけ、サバイバルがあってもまだ500種類くらいあるのです。
人の体質はそれほどいろいろあるということです。
漢方医によって生み出される新たな漢方薬
今も新たな処方というものは実践漢方家から生み出されています。
また現存している漢方薬でも、実際はなかなか使う機会がないものもあります。
使う機会がないというのは、病院の薬の方が利点があったり、その漢方薬に合う体質の人が少ないということです。
例えば、急性で早く効かさないといけない痛み止めなどは、昔は重宝したでしょうが、今は、病院の薬の方がはるかにすぐれているので、必要なくなってきているものもあります。
また日本の風土にあわせ、日本人にあう漢方薬として残ってきたものもあり、中国とは漢方薬の種類が異なるものもたくさんあります。
これも体質の違いからでてきたものですね。
保険適用で漢方薬を処方する医者がやっているような体質を考えないで、病名や症状だけをあてはめて、漢方薬を選んできたのであれば、こんなにも種類は必要なかったはずです。
しかし、実際はなくなりませんでした。
漢方薬は、ひとり、ひとりの体質にあわせていくものだという証拠ですね。
たくさんの漢方薬の種類を知っていればいいというものではありません。
しかし、たくさんの漢方薬を知っていればそれだけ精度が高く、いろいろな体質にあわせることができるのです。
途方もない数の漢方薬ですが、その1つ1つに意味があるのです。
★当店では、しっかり全身の状態をみて、あなただけの体質を判断して、最適な漢方薬をお選びします。
大阪在住でない遠方の方でもネット漢方相談、電話漢方相談を行なっています。お店に来れない方もぜひ、ご相談ください。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方の歴史:大修館書店
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社