漢方専門まごころ漢方薬店

病院の漢方薬の効果がわからないわけ

患者さんは、女性の方。症状は『月経前、月経中、排卵前にめまいがひどくなるとのこと。』

先日、レディースクリニックへ受診されたことをお話して下さいました。

(1回目の受診):
病院の先生に症状を話すと、
診断は、自律神経からきているということで血液検査をしました。

次回に血液検査の結果がわかるとのこと。

(2回目の受診):
前回の血液検査の結果を聞くために、受診。

結果は、正常の範囲内であったので、やはり自律神経の問題だという診断に。

患者さんは、車を運転するので自立神経を治す薬は眠くなるので、出せないと言われた。

(患者さん自身は、自立神経を治す薬って、「どうせ睡眠薬じゃないの」と思ったそうです。多分、正解)

何の薬が出されるかと思っていたら、その結果、出された薬は「補中益気湯」という漢方薬でした。

もちろん、体質なんか診断しないし、「補中益気湯」の説明も一切、ありません。

患者さんが、薬局に薬を取りに行く前に、ネットで「補中益気湯(ほちゅうえきとう)」を調べたら、体力虚弱で疲れた場合に書いてあり、自立神経との関連の事など何一つになく、マニュアル的に適当に選んだことをごまかしもしなかったので、治る気どころか、その漢方薬を飲むのが怖くなって、薬局に取りに行くことすらしなかったそうです。

(3回目の受診):
「補中益気湯は飲みましたか?」と聞かれたけれど、いろいろ経緯を説明するのがめんどくさかったので、「飲みました」と答え、体の具合を聞かれたので「ましになりました」と答えたそうです。

そうすると、「そのまま同じ薬を飲み続ければ治りますから」と言われたそうです。

お医者さんも、ここまでテキトーだと、むしろ清々しいですね。

3回の受診で何も症状は変わらず、原因もよくわからないまま

患者さんのお話から、病院での血液検査の結果から、赤血球関連の結果が正常範囲のギリギリの数値だったことと、月経と排卵に関わるめまいから、気虚、血虚の証とみて、うちでは漢方薬をお出ししました。

この患者さんの病院とのやりとりで何が問題かというと、漢方治療以前に医師が患者さんに全く信用されていないのです。

今回は、「補中益気湯」は飲んでもいないし、何も治ってもいないのに、「ましになりました」と治ったかのようにお医者さんに言いましたが、その嘘に気づきもしません。

漢方治療の大きな問題はここです!

通常なら、治っていない患者さんは、同じ病院にまた行ったりしません。

漢方薬は、数千年も前から、治るであろう薬を飲んで、飲み終わった結果が、どうであったを知ることが、次の治療につながる医学です。

でも、病院で、どれだけ漢方薬を処方したとしても、実際のところ医者には、飲んだ後の実際の症状の変化などの漢方治療のデータが集まらないのですよ。

なぜ、そうなってしまうかというと、医者は、漢方に限らず、病気の原因をすぐに自律神経、ストレス、老化、(子供なら、成長痛)と言ってしまい、そうなると、患者さんも体の状態が悪くなったとしても、どうせ、ストレスや老化だと言われると思い、詳しく伝えようとはしません。

なぜ今回のように患者さんに全く信用されないようなやりとりになったのか?

理由1 「病院の薬は副作用がありそうだから出せない」と言われ、突然よくわからない漢方薬を処方される。なぜ、その漢方薬?

理由2 めまいの原因は自律神経と言っておきながら、その具体的な説明がなく、月経や排卵時期にひどくなることについても一切、説明がない。

理由3 わざわざ血液検査したのに、有効的に診断材料として使ってもいない。検査結果と病気本当に何も関係がないのか?

理由4 理由(1〜3)のようなことが、「疑問でもあるし、不安でもある」ので、ちゃんと説明してもらいたいと、いちいち、こちらから伝えないといけないのが面倒臭い。

医者が漢方薬で治療をしたいのなら、まず、患者さんが話しやすいようにしなければ何も始まらないのではないでしょうか。

病院で、患者さんが出された漢方薬を飲まなかった理由を話すのは、なかなか難しそうだなぁ。とお話を通して感じました。

「きちんと体質を分析、診断して、処方してないじゃないですか!」と伝えればいいだけなのですが、そもそも、この内容が医者に伝わりそうにありませんね。

★当店では、しっかり全身の状態をみて、あなただけの体質を判断して、最適な漢方薬をお選びします。
遠方の方の遠隔治療や相談も行なっています。お店に来れない方もぜひ、ご相談ください。

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ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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