食べものや漢方薬の効果とは何?(漢方の基本的な知識)
漢方薬の効果って何だかよくわからないですよね。
漢方薬の効能効果のところにも、病名や症状が、いくつか並んでいたりしますが、その病気や症状をどんな風に漢方薬が治してくれるのかは、よくわかりません。
まさか、漢方薬の不思議エネルギーで治るわけではなく、漢方薬には東洋医学のルールに基づいた具体的な効果があります。
漢方では、食べ物にもいろいrな効果の説明があります。
そして、食べ物の効果のルールと漢方薬の効果のルールは実は同じなのです。
ルールは同じで、食べ物の効果よりも漢方薬の効果の方が強めのものが多いといった感じでしょうか。
それでは東洋医学が考える食べ物や漢方薬の効果を紹介します。
体質改善とは体内バランスをとること
漢方薬は、西洋医学とは関係がありませんので、サプリメントによくありそうな、「◯◯成分の効果」なんてものはありません。
東洋医学の効果の考え方は、独特です。
食べものと漢方薬の効果の考え方は、同じですが、漢方薬というのは、生薬が何種類か合わさってできている薬のことを指すので、ここからは、食べ物と生薬という風に説明しますね。
西洋医学と漢方の違いは、何もかもです。
漢方の治療の目的は、体質改善です。
そして、体質改善とは、『その人独自のバランスをとること』です。
体に良さそうな成分をとることではなく、バランスを整えることなのです。
バランスを整えるとはどういうことかとい言いますと、体が冷えすぎていたら、温める食べ物や漢方薬を使って温めます。
この時に、何がなんでも、温めるのではなくて、『その人に丁度良い温め方をすること』が食べ物や漢方薬の治し方です。
『体が冷えいている』という症状1つとっても、「年中、ものすごく冷えている人」「冬は冷えるけど、夏は全然、気にならない人」「足は冷えるけど、上半身は暑くてしょうがいない人」など、本当にいろいろなタイプの人がいます。
漢方の場合は、こういったタイプの人をより分けて、よりそのタイプの人にあった食べ物や漢方薬を選びます。
これが『漢方薬や食べものを体質に合わせる』ということです。
例えば、わかりやすく数値にすれば、冷えでも10段階で10のMAXで冷えている人と、3レベルくらいで冷えている人は、どちらも『冷え』という症状は同じですが、『体質』でみると、全く違うタイプなのです。
西洋医学でいったら、「患っている病気が違う」みたいな。
病気が違うわけですから、当然、その人に合わせる食べ物や漢方薬は、違ってきます。
体のどんなバランスを整えないといけないのか?
漢方では、基本的には、
❶ 体の気、血、水のバランスをみます。
❷ 体内の冷えや熱のバランスをみます。
❸ 気、血、水や冷え、熱が体内のどんなところに偏っているのか?
どんな風に偏っているのか? その状態をみます。
❹ 五臓六腑の状態をみます。
五臓六腑の内臓が、ちゃんと働けているか?
臓器同士が協力できているか?をみます。
これらをみて、全身のバランスがとれているかをみます。
食べ物や生薬の◯◯成分が、効くわけじゃないのですね。
食べ物や漢方薬の効果
東洋医学では、食べ物や漢方薬の生薬それぞれに、気を巡らせたり、血を増やしたり、温めたり、冷やしたりといった効果があります。
こういった効果が、いろいろと組み合わさっています。
おもしろいのは、味によって効果が変わったりすることです。
例えば、漢方では甘い味は、気や筋肉を緩めたりする効果があります。
筋肉の緊張からくる痛みや精神的な緊張が強かったりすると、甘いものが、そういう体質の人にとって、『薬』になりますが、逆に、胃の働きが悪く胃もたれしている人などは、胃がより緩んで、胃もたれがひどくなったりと、そういった体質に人にとっては、甘い物は『毒』になります。
体質によって、『薬』にも『毒』にもなるのが、東洋医学(漢方)の考え方なのですね。
よく、『どんな食べ物が一番、良い効果なのですか?』と聞かれることがありますが、『どの食べ物が良くて、どの食べ物は悪い』なんて考え方は漢方にはありません。
考えなくてはいけないのは、『あなたの体に合っているかどうか』ですので、食べ物は、全て「良いもので悪いもの」なのです。
大事なのは、その食べ物が良い効果があるのか?ではなく、どんな性質を持っているのか?
その性質を自分の体質を合うかどうかを考えるのが漢方で必要なことなのですね。
これから、その食べ物の性質や漢方薬の性質を紹介していきたいと思います。
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