十味敗毒湯の漢方的な本当の効果ってなんでしょう?
十味敗毒湯はどんな病気で使うのか
ツムラだったら6番の十味敗毒湯って、実際は、どんな効果のお薬なのでしょうか?
アトピーの薬と勘違いしている人もいますが、どんな病気の人に使うかというと、
【 鼻炎、麦粒腫、外耳炎、リンパ腺炎、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、アトピー、いろいろな湿疹、蕁麻疹、ニキビ、手湿疹、掌蹠膿疱症、進行性手掌角化症など 】
確かに、アトピーの方にも使いますが、アトピーなどのかゆみを止めたり、湿疹をなくしたりといったような効果ではありません。
十味敗毒湯の漢方的な効果は、皮膚表面の炎症によって余分な熱がたまってしまっている表の熱証となっている皮膚の新陳代謝を活発にして、皮膚の熱の巡りを促す効果があります。
同じく、皮膚表面に炎症の結果、リンパ液などが滞ってしまっている表の湿証となっている皮膚の新陳代謝を活発にして、皮膚の水の巡りを促す効果があります。
また、肝の臓に余分な熱がこもってしまって、その熱が胸辺りの熱となって滞っている胸脇熱の証の状態の肝の臓の余分な熱を鎮めて、肝の臓の解毒能力を高めて、アレルギー反応を調整する効果があります。
効果をまとめると、表の熱証、表の湿証、胸脇熱の証という状態を治す効果を持っていますよ。
十味敗毒湯の合う人の症状
十味敗の湯の効果から見ると、アトピーなどの初期に使うものです。
効果は、平たく言いますと、炎症でリンパ液などの汁が出ている状態。
ですから、十味敗毒湯が合う人の症状は…
【 皮膚病や炎症、化膿している病気の初期、体力はそこそこある、体格は普通、体全体では熱体質の傾向、舌の上のコケが白かったり黄色かったりする、患部から汁が出てくる、湿疹部分や患部に熱感がある、湿疹部分や患部が腫れている、みぞおちが詰まる、みぞおちが痛い、悩みやすいなど 】
十味敗毒湯の具体的な効果
十味敗毒湯はズバリ、炎症による熱感や出てくる汁を抑える処方です。
漢方薬は、1種類で全身、いろいろなところを整えるものが多いですが、十味敗毒湯は、『炎症』を抑えるのに特化している感じです。
ですから、例えば、アトピーの方などの治療の場合、治療にとりかかる初期は、十味敗毒湯で熱感や汁などを抑えていって、十味敗毒湯だけでは、炎症をとるだけというような対症療法的になりがちなので、徐々に十味敗毒湯を補助する漢方薬を合わせていき、そのあとは、アトピーなどは、根本的には体内の問題が関わっていますので、皮膚表面を治療していた十味敗毒湯から、体内の問題を解決する漢方薬に切り替えて体質改善していきます。
十味敗毒湯の特徴的には、これだけをずっと、飲んでいたら、『アトピーなどが根本的に治る』というものではないですね。
実際に使っていると確かに治療の初期に使うものだと思います。
★当店では、しっかり全身の状態をみて、あなただけの体質を判断して、最適な漢方薬をお選びします。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯漢方方意辞典:緑書房
◯類聚方広義解説:創元社
◯勿誤薬室方函:創元社
◯漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯中医処方解説:神戸中医学研究会
◯近代漢方薬ハンドブックⅠ:薬局新聞社刊
◯近代漢方薬ハンドブックⅡ:薬局新聞社刊
◯近代漢方薬ハンドブックⅢ:薬局新聞社刊