高齢になるほど、治療は難しくなります
お店を始めて、たくさんの患者さんにお会いして分かったことがあります。
実は、年齢で病気の治り方に大きな違いがあることです。
個人差も、もちろんありますが、実感としまして、だいたい65才以上からの高齢の方では漢方薬の効き方が若い方と比べ、かなり違うなぁ。という印象があります。
65歳以上の方は高齢であるという大前提がありますので、漢方薬を選ぶ場合、急激な強い変化を与えるような種類のものは選べません。
なぜなら若い方のように体力もあり、代謝も良いわけではありませんので、穏やかな漢方薬で徐々に良くしていくという選択となってしまいます。
でも、高齢の方が訴えられる症状は、
「足が痛くて歩くのが辛い、とにかくこの痛みをなんとかしてほしい。」
「ご飯が食べられない。」
「元気が出ない。」
「腕が上がらない。」など、どちらかというとかなり重度な症状であり、なおかつ、高齢な人ほご、早い改善を求められます。
ところが、早い改善には強い効果が必要となるのです。
ここが悩ましいところです。
そして1、2か月ほど漢方薬を飲また結果「全然良くならない」と言われることが多いのです。
そうなると高齢の方は「漢方薬での治療が続かない」という結果になりがちです。
高齢の方は生活に支障がある症状は一刻も早く治したいのに、漢方的には高齢の方は穏やかなもので徐々に体全体を整えていかなければいけない…皮肉なことに高齢になれば、なるほど漢方治療が合わないというジレンマが起こります。
年齢を重ねれば、当然のように日に日に体力が低下し、不調になっていくことをカバーした上で、辛い症状をなくしていかなければ、体の改善にはつながりません。
高齢の方が訴えられる重い症状をなくすには、漢方薬を飲んだとしても年齢が若い方と比べて少なくとも2倍以上の期間が必要ではないかと思います。
その上、東洋医学は食事や運動などの生活習慣も漢方薬と同じくらい体質改善の大きな要素となります。
食事や運動を見直しながら、漢方薬を飲まれると、日々、症状が改善していってるという実感をもってもらえるので、治癒に近づきやすくなるのですが、高齢になると、治療の大切な要素の一つである「運動」が思うようにできないので、治療の足を引っ張ってしまうのです。
今現在、運動など体を動かすことを何もしていないという方はできれば40代で、遅くても、せめて、まだ体が思うように動く50代までには、日々運動する習慣をつけるようにしなければなりません。
でないと、高齢になった時には運動が必要だと気付いても、体が言うことを聞いてくれません。
今まで運動などしたことがないのに、いきなり無理して運動をすれば、体を痛めることになってしまいます。
というわけで、高齢になってからの病気は、完治させることは難しいのがほとんどです。
そして、これは漢方に限らず、西洋医学の治療でも同じ。
わざわざ、車を運転して家から遠い有名病院に通っても医者から出されたお薬や注射は近所の町の病院と大して差がありません。
どれも、これも、ただ単に、その場をしのぐためだけの処置だからです。
高齢になってからなんとかしたいと思っても『実は遅すぎる…t』ということは、とても残念なことではありますが、うちの治療経験からの事実です。
ただ、ある意味、この現実を前もって知っていれば自分たちの未来のためになるのではないかと感じています。
もちろん、高齢の方も治療自体を焦らないことと、完治を目指さなければ、そこそこ、快適に生活できる位には治りますが、西洋医学の感覚なのかわかりませんが、高齢者ほど『薬を飲んだら治る』的な考えが強く、うちでは若い人ほど、それほど簡単に治らないという意識があって、若い人ほど、治療にじっくりと取り組んでおられます。
高齢の方は、早く治りたいなら、体には悪いですが、病院の強いお薬を使うか、ちゃんと治したいなら、ゆっくりと構えて、漢方薬で治すか、どちらかしかありません。
『治るのが早く、尚且つ、根本的に治って体にも悪い影響がない』
そんな都合に良い治療は、この世に存在しません。
●関節痛や不眠などでお悩みの方は、こちらの 「漢方無料相談する」 から送信してください。
●お問い合わせは、こちら から送信してください。