漢方専門まごころ漢方薬店

おっぱいをムリやり飲ませて大丈夫?

お産時に大出血したというお母さんから「おっぱいが出ない・・・」というご相談がありました。

初めてのお産でやはり母乳で育てたいという思いから、食事に対しても、とても気を使っておられ、おっぱいが出るようにマッサージもちゃんとされていました。
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それでも、なかなかおっぱいが出ないので、どうしたらいいものか。と悩んでおられました。

その後、少しずつですが、お乳が出るようになったのですが、少しだけ出るお乳の味がしょっぱくて、ご自身で味見をしても美味しくないのがわかったそうです。

当然、赤ちゃんに飲ませようとしても、飲んでくれないとのこと。

でも病院では、『無理やり赤ちゃんの頭を押さえてでも飲ませなさい』という指導をされたそうです。

「どうしたらいいでしょう?」と不安気なお母さん。

確かに、初乳は赤ちゃんにとってはとても大切なもので、飲ませてあげられるなら、その方がいいという一般論はあります。

ですが、その情報だけで、とにかく無理やりにでも飲ませていいものでしょうか?

病院での一方通行的な単純な考え方はどの赤ちゃんにとっても、果たして有効なのかな?と私は疑問に思えます。

ご相談いただいたお母さんは、バランスのとれた食事とおっぱいマッサージもきちんとしているのに、おっぱいが出ないのはどうしてでしょうか?

要因はお産時にあると考えられます。

母乳の正体は、お母さんの体の中の血液なのです。

だから、この方は、出産時に大量に出血したため、体の中の血液が不足してしまっています。

当たり前ですが、母乳まで養う血液がお母さんの体の中にないのです。

漢方ではこれを血虚の証といいます。

十分な血液がない中で何とか出てくる母乳は、やはり質の良いものではありません。

そんな母乳を、嫌がる赤ちゃんに無理にでも飲ませるというのは、赤ちゃんにとっても辛いことですし、お母さんにとっても肉体的にも精神的にも良いとは思えません。

少し時間はかかりますが、お産が大変だった場合などはお母さんの体力が回復して十分な血液が体の中で作られるまでは、母乳のことにこだわりすぎないことも大切ではないかと私は思います。

母乳が出ないことを気にしすぎるあまりに、お母さんの体をゆっくり休ませることができないでいると、体力もなかなか元には戻りにくくなります。

母乳をどうしても早くあげたいと思うことは、とても素晴らしいことなのですが、それよりも何よりもお母さんの体を早く元気にしてあげることが、母乳を復活させる近道かもしれません。

ご主人や近くにいる方に力を借りて、お母さんお一人が頑張り、無理しすぎないようにしてほしいと思います。

産後のケアがうまくいっていない場合は、そのあとの子育て期の中で、ずっと体に負担をかけたままになってしまいます。

そして、大きな病気になってしまうケースもありますので、産後は一番忙しくお母さんも自分自身の体など構っていられないものですが、そこが大きな落とし穴にならないように本当に気をつけてもらいたいのです。

お産は、人によっては命を削るような大変なことでもあります。

今は、お産で命を落とすようなお話を聞くことはほとんどなくなりましたが、お産の後、なんらかの影響が体に出ることもあります。

一人の子供を産んで育てるということは、どんな女性の体にも大きな大きな負担がかかります。

産後も、社会復帰をされる女性が増えつつある現代。

まずはお母さんの体の調子を整えつつ、疲れがひどい時やなかなか体が回復しない場合は、しっかり体を休めて無理はしないように細心の注意をしていただきたいと思います。

うちでも、産後の疲れがひどくて日々の子育てが大変だという方からの相談もよくあります。

お産直後の子育てのピーク時だけでも、体のケアとして漢方薬での体力補給や体調を整えるということもさせていただいています。

できるだけ早く体力を回復するというのも、女性の社会復帰への大切な第一歩ではないでしょうか。

お母さんというのは、どうしても子供を最優先してしまうので自分のことを後回しにしてしまいがちですが、できればお母さんご自身の体調を振り返ることも是非意識して頂ければと思います。

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ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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