西洋医学と漢方医学の大きな違いって?
西洋医学も漢方(東洋医学)もどちらも病気を治す医学です。
どちらも「医学」という名称がついているので、なんとなく、共通な部分があると思いがちですが、実は全く違うものなんです。
この2つの医学の大きな違いってなんだろうと考えてみました。
何が違うかというと、病気の治療というスタート地点から全く考え方が違うのです。
西洋医学は、検査をすることによって客観的に診断し、数値を平均化して平均の状態と現状を比べます。
その平均化した数値からどれくらい離れているかで、病状の悪化度合いをみます。
そして、治療方法は有効であると考えられるパーセンテージが高い薬を投与することによって、健康と定められた数値に近づけるようにするのです。
ですので、治療のスタート地点は、その方の数値が平均化された数値とどれくらい差があるかというところを軸に考えられています。
簡単に言えば、人間をロボットに見立てて、基準よりずれているかどうかをみます。
そこに個人差はありません。
「人間なら、全て基準が同じはず」という原則に基づいています。
その数値が健康だと定められた値になれば、どれだけ患者が体の不調を訴えたとしても、それ以上、他に治療のしようがありません。
漢方の治療ではその方が不調と思われたら、それを治すために漢方薬を選びます。
その選ぶ基準は、バランスのとれた健康な状態と比べて、病気の方がどのような不調をどれくらい感じているかという事を軸に考えるのです。
その方、個人の思う、体調の悪化度合いがすべてとなります。
最終的に、その人自身が体の不調がなくなったと感じたら、完治ということになります。
漢方なら、他の人なら治っているかどうか分からない病態でも、その方、本人がなんの不調もなく健康に思うのなら、治っているということになります。
もしかしたら、逆に病院で検査したら数値はあまりよくない結果となることもあるかもしれません。
でも、その方には何も問題はないはずです。だって元気になっているのですから。
もちろん、漢方薬も個人それぞれの不調に対しての細かな問診から選ぶわけですから、「この病気や症状には、この漢方薬の有効率が高い」などと、数値化することは不可能です。
その方が治ったらそれでいいのです。それ以上でもそれ以下でもないからです。
しかし、病態を数値化できるというのはとても便利なことでもありますよね。
症状がわからない第三者にもその方の病気がよくなっているのか、悪くなっているのかが伝わるからです。
特に、集団生活においてはとても重要で、例えばウィルスを保持している方かどうかがわからないと他の人たちにうつってしまうこともあります。
それを事前に予防するために、目に見えるように。と日々進化している西洋医学は素晴らしいと思います。
漢方の本にも『西洋医学は「社会医学」⇔ 漢方医学は「個人医学」』という対比をした記述があります。
西洋医学と東洋医学、方向性は全く違いますが、それぞれの得意なベクトルをこれからもどんどんと伸ばして私たちの健康を維持していきたいものですね。
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