漢方でダイエット!?
コマーシャル等で、ダイエットの漢方薬といえば『防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)』と宣伝されていますので、そう思っておられる方もいらっしゃると思います。
漢方薬が考え出されたのは2千年前で、当時は、食べすぎて困っている人なんてまずいません。
飢餓と戦乱の世の中で、次々と死んでいく一族を助けるために漢方薬が考え出されました。
それからも、最近になるまでは、時代のほとんどは、ダイエットよりも、食べるのに困るくらいだったのです。
そもそも、2千年前にダイエットしたいと言って悩んでいる方はいなかったので、『ダイエットのための漢方薬』なんていうのは漢方の世界には存在しないのです。
当時の宮廷には、肥え太った人はいたと思いますが、ダイエットという概念がないのです。
根本的に間違っているのが、防風通聖散にダイエットの効果があるのではなく、肥満的な体型の人の病気を治すもので、痩せさせることが目的ではないのです。
ダイエットしたいと本気で悩んでおられる方というのは、大半は女性の方ですよね。
ところが、コマーシャルされている、この『防風通聖散が合う体質の方』はと言うと、会社の上役さんのようなタイプで、がっしりした体格にお腹がポッコリ、皮下脂肪がいっぱいで叩くとポンポンといい音がするような、便秘気味で血圧が高めの男性のようば体質の人です。
どっちかとういうと、イメージは、いかにも、おじさまな感じの方です。
こんなイメージの方が、真剣にダイエットしたいと、悩んでいるケースというのは、とても稀なことではないでしょうか。
もし、いらっしゃったら迷わず、「防風通聖散」を飲んでスリムになっていただきたいと思います。
ダイエットを手助けはできるけれど…
私の身近にもそんなタイプの方はいらっしゃいますが、本気でダイエットまでは考えられてません。
どんなに太っているかということをこちらが表現してもあんまり気にもしていない。というのも一つの特徴なのかもしれませんね。
とは言っても、体質から漢方薬を考えて合わせていくと『結果的にダイエットにつながる』ということはあります。
代謝がよくなったり、便秘が改善されたり、ひどかったむくみがとれたりと。
ただ、漢方薬だけ飲んでいれば、他は何もしなくても痩せるということはありません。
あくまで手助け。体質の調整なので、言わば、病気の治療と同じです。
それなりの努力があって、はじめて漢方薬が役立ちます。
誰でも飲めない防風通聖散
ちなみに「防風通聖散」ですが、うちではダイエットで出すことはほとんどありません。
なぜかと言うと、「防風通聖散」の中の一つの生薬「大黄(ダイオウ)」がポイントになってくるのですが、これが誰でも大丈夫ってわけではないのです。
大黄は漢方の中でもかなり強い瀉下(しゃげ)剤となります。普通の体質の人が飲めば、ほぼ下痢になるでしょう。
逆に便秘でない人が、防風通聖散を飲んでも下痢にならないというのであれば、その防風通聖散は、原料の生薬が粗悪で効かないものなのでしょうね。
どちらにしても飲む意味がなさそうです。
そもそも、もし、「便が出れば、痩せる」というのであれば、漢方薬でなくても下剤で事足りると思います。
この「防風通聖散」で、もともと太っていない若くてほっそりとした女性のアトピーがよくなったということがありました。
ここが、漢方薬の不思議で素敵なところですよね。(#^.^#)
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