漢方専門まごころ漢方薬店

乳児湿疹にどくだみ茶???

「乳児湿疹にどくだみ茶がいいんですか?」

という疑問をウェブ上でたまに見かけます。

漢方薬屋として、ちょっと気になっていたんで、今日はブログに書いてみたいと思います。

基本的に乳児湿疹になる赤ちゃんは、生後3ヶ月くらいからで1歳にもなっていないので、お母さんのおっぱいやミルクしか飲めません。

そんな小さな赤ちゃんにどくだみ茶は飲ませてはいけません。

どくだみ茶は生薬名でいうと、「十薬(じゅうやく)」といい、漢方薬の処方的な読み方では「魚醒草(ぎょせいそう)」という名前に変わります。

漢方薬が飲めるのようになるのは、すべての離乳食が済んで、消化器官が発達してからとなります。

ですので、どくだみ茶は食べ物と漢方薬のちょうど間に位置しますから、どうしても飲ませたい場合は、少なくとも野菜や果物の離乳食が済んでからでないと、赤ちゃんには飲ませられません。

薬の効果だけの問題ではないのですね。

一般に、どくだみ茶が解毒作用があると言われている理由は、 「十薬(じゅうやく)」は皮膚表面の水と熱を取る役割で、その作用で吹き出物が治りやすいからです。

赤ちゃんが飲めないので、じゃあ、授乳中のお母さんが飲めばいいのか?というと、そうでもないです。

もしお母さんがどくだみ茶を飲んでも、それがお乳を通して赤ちゃんにいい影響があるとは考えにくいですね。

どくだみ茶を飲んだお母さんの湿疹がよくなることはあっても、赤ちゃんにはどうでしょうか?

特に普通のお茶を飲んでお乳をあげることと、何も変わらないでしょう。

もし、解毒ということで、どくだみ茶を飲むのであれば、妊娠する前に飲んで、すっかり身体をキレイにしてから妊娠すれば、赤ちゃんのためになるのではないかな。と思います。
  
昔から、よく飲まれてきたので、お家にどくだみ茶(ジュウヤク)があるご家庭なんかだと、思わずこのような情報を信じて飲ませてしまいがちですが、赤ちゃんには飲ませないようにしてくださいね。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅡ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅢ:薬局新聞社刊

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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