漢方を飲む期間はどれくらい?(蕁麻疹の人の場合)
ご相談に来られる患者さんから、よく質問されることがあります。
『漢方は、どれくらい飲まないと治らないですか?』
漢方薬はどれくらい飲む必要がありますか?
基本的に漢方で症状がよくなる期間は、患った期間に比例すると言われています。
でも、実際の経験から、それだけではなく、病のこじれ方にも大きく影響すると思っています。
また、もともと持っている体質が深く影響している場合は時間がかかる場合があります。
年齢が若いほど良くなる期間は短くなる
子供さんは、年齢が若ければ、それだけ患った期間が短いってことにつながるので、大人よりはかなり短い期間でよくなります。
また、単純に子供は自然治癒力が高いということもあります。
例えば、同じ病態で、人によって治る期間が違うという、とってもわかりやすいお話があります。
2人の蕁麻疹(じんましん)
ご夫婦でご相談に来られた方で、どちらも悩んでおられる症状は蕁麻疹。
大きく違うのは患った期間です。
ご主人は3ヶ月前から生まれて初めて蕁麻疹になってしまった。とのこと。
毎晩、お風呂上がりには全身がかゆくてたまらないので、なんとか治したい。とお悩みでした。
奥様は、子供の頃から受験勉強などストレスがかかったり、無理をした時に蕁麻疹が出ることがあり、最近もお仕事が大変で蕁麻疹がひどくなってきたとのこと。
病名的には同じ蕁麻疹(じんましん)ですが、原因も状況も更に体質も違います。
2人の蕁麻疹(じんましん) の漢方薬の比較
お二人同時にそれぞれの漢方薬を飲んでいただいたところ、ご主人は始めの1ヶ月目で、ほぼ症状がなくなりましたが、再発防止のためそのまま飲んでいただきました。
結果、ちょうど患った期間と同じ3ヶ月目には、全く蕁麻疹の症状がなくなりました。
根本的に治った感じですね。
一方で、奥様はよくなったり、悪くなったりとご主人のようにすんなりとはいきません。
やはり、子供の頃からの体質も関係しているので、時間がかかってしまいました。
ご家族で来られていましたが、4ヶ月目からは奥様だけのご相談になり、その都度、症状に漢方薬を変えていくと、だんだんとよくなっていき、7ヶ月で蕁麻疹の症状はほとんどなくなりました。
漢方薬の蕁麻疹に対する働き
漢方薬が体を調整する様は、ネックレスの『チェーンの絡まりをほどく感覚』と似ています。
まだ新しく、ただ単にチェーンが絡まっているだけなら、その絡まっている部分をほどけばすぐに治ります。
複雑に絡まりあっていれば、その絡まりを何度も順番にほどいていかなければなりません。
病も同じです。
症状が複雑であるということは、チェーンが幾重にも絡まりあって、ほどけづらい状態なんです。
また、長く患っている状態は、チェーンが古くなり錆びたりしてくっついている状態だと思ってください。
そういった場合は、チェーンを磨いたり、埃などの汚れをとったりしないと、ほどきにくいですよね。
時には絡まっているところがスムーズにほどけるように身体の基本を元気にするための漢方薬から始めて、段階的に治していくことも必要になります。
こんな風に治す順番が、人によって違うので『漢方薬を飲む期間も人それぞれ』ということになります。
例にあったご夫婦のように、同じ病名であっても、治るまでの期間はこんなにも違うのです。
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